美容室を経営していて、オープンから十数年常日頃思っていることです。
ご来店いただける方は、なるべくお断りせずにやってあげたい。
最高の施術(メニュー)や薬液を充実させ、知識と技術とサービスで喜んでもらいたい。
と思っていました。
でも、少し違うことも感じてきた。
両親が開業して40数年、私がリニューアルオープンして10数年がたちました。
日頃どうしたら皆さんに喜んでもらえるか、だけを考えてきた10数年ですが、やはり消化できない矛盾もありました。
価格の問題
技術・接客・サービス・時間となるべく髪にいい状態で最高の仕上がりを求めると急いだ仕事や反応の強い薬液は選べず、材料などの仕入れ単価も上がります。
その中で、うちではカット&ブロー4630円、カラーとトリートメントとカットをすると10600円になります。そこに来店サービスなどをするわけですが、10分くらいで1000円ほどのカットをするお店や2500円でカットとカラーが出来るお店とは、根本的に仕事の仕方や時間の使い方が違います。
根本的にターゲットが違うわけです。
ですから、うちで1000円のカットを始めたら、1000円のカットに魅力を感じる方は新たに来店してくれるかもしれない反面、今まで4630円でカットしてくださっていたお客様の多くは離れてしまうかもしれません。
ロイヤルカスターマーという考え
ここ3〜4年くらい参考にしている方の本によく出てくる『お客様はえこひいきしなさい!』という言葉。言葉の意味はわかるのですが、私にはなかなか実践できませんでした。
どのようにしたらいいんだろう?
- 薬の種類やサービスの質を変えて『えこひいき』したらいいのか?
- 珈琲屋さんで自分が気に入った豆を購入してきて、お待ちの時間があるときに豆を挽いてコーヒーを入れているのですが、それをインスタントにする?
いやいや、そういうことではないんですよね。
実はもっと思いっきりが必要でした
たとえば、うちの美容室では割引のサービスで以下のようなものがあります
- 45日以内のご来店で10%オフ
- カラーやパーマとカットを行うとセット割引でトリートメント(2500円相当)サービス
- 最近はやめましたが、ご利用料金に応じて一律5%ポイントサービス
この割引率でも全体的に一日数万円の値引きを行っています。
ポイントサービス以外は、ご来店時の状況によりサービスが変わるため多少の優劣があるようにも感じますが、
- うちをご利用いただいて2年目の方と10年以上の方
- 3週間周期でご来店される方と3ヶ月や6ヶ月周期でご来店される方
- 一度に3000円ご利用される方と25000円以上を毎回ご利用いただく方
どちらの方も大事なお客様ですし同じように満足をしてほしいですが、お店(会社)にとっては赤い太字のお客様が優良顧客であり、少しでも長く満足を感じてもらえるようにえこひいきをしようと本気で考える必要があります。
わかり易くえこひいきをする!
料金面ですが、青い方には割引を一切しない。その代わり、そこで割引していた金額を赤い方々に還元することがほんとに生きるえこひいきになります。
えこひいきは上手くする!
同じ割引も均等に振り分けては満足度は激減し、お客様には感じてもらえないのにお店(会社)の負担は変わりません。同じ負担をするなら、割引を感じてもらえる仕組みを考え『えこひいき』をうまく使うことが大切ですね。