前の記事では、全てのお客様に喜んでもらいたいオーナー心理が、実際はサービスを飽和させ満足感を感じてもらえないこと。しっかりと『えこひいき』をすることで、同じ負担で今まで以上にサービスの格差をつけられることをかきました。
今回はロイヤルカスターを中心に考えたサービスの組み立てについてです。
ロイヤルカスタマーって?
ロイヤルカスタマー=優良顧客と言うことなんだと思うのですが、算出方法としては集計期間(例えば1年とか)の総売上をだし、顧客ごとの利用金額を多い順に並べたとき、上位10%と次の20%の合計30%のお客様が総売上の70〜80%を占めていることから、利用金額上位30%のお客様がロイヤルカスタマーということになります
ということは?
この上位30%のお客様の満足度をあげることで、経営の安定が図れるだけでなく同じようなサービス内容に満足をしてくれるロイヤルカスタマーを増やすことも出来ます。
だから全てのお客様は喜べない
ロイヤルカスタマーで考えるとそれ以外の70%の方がたには現在のサービスを行うが、30%の優良顧客が満足するサービスを組み立てるような気がする。
そうではないのだがそう感じてしまう。
例えば美容室の場合、ロイヤルカスタマーのお客様のほとんどがカラーとトリートメントをしている場合、熱狂的なファンはカラーとトリートメントに集中しているので、パーマや着付けに力を入れて浅く幅広いメニュー展開を行うよりも、より髪を傷めず美しく発色するカラーや艶やかで扱いやすい髪へケアできるトリートメントを追求した方が優良顧客は価値を理解してくれるし、そのほかの方も満足度は上がるだろう。
一方で、パーマや着付けに力を入れてメニューの幅を広げることで、さらに新しいお客様を呼び込もうとした結果、上手くいけば今までのお客様に加えパーマと着付けのお客様も増えるので売上げの上昇を見込めるが長い目で見ると、新しい技術を習得するために忙しくなり営業に集中できなかったり、今まで満足してもらっていたカラーやトリートメントの仕上がりも陰りが出るかもしれない。一番マイナスなのは新しいメニューで新しく来店したお客様を担当するために今まで指名で来店していたお客様を別のスタッフに任せなくてはいけなくなったときだ。
ここまで来ると本末転倒としかいえない
お客様に喜んでもらうために新しい技術に力を入れた結果、いままで満足していたお客様を裏切る結果になった今回のケースは珍しくないと思います。
ではどうしたらよかったのでしょう?
新しいメニュー専用のスタッフを補充する
新しいメニューのパーマと着付けの為に、その技術を専門に行うスタッフを雇い、今までのメニューに加えることで、今までの満足度を下げずに新しいメニューを追加出来きメニューの幅を広げることが出来ます。
しかし、現状では小さな個人店において、メニューの幅を追加するために新しいスタッフを雇うことはとうてい出来ない。むしろ、一人で沢山のことが出来るマルチプレイヤーを育てた方が少ない経費で多くのお客様を担当できるので会社にはうれしい。しかし、いくら沢山のことが出来ても、同時に自分が担当できる方の数は決まっており、それ以上ほとんどのお客様はほかのスタッフに頼むようになってしまいます。そこを踏まえ、サービスの展開を考える必要があります。
また、新しい技術や苦手な技術を一流にするよりも、自信のある自慢の技術をメインに組み立てた方が、店にも自分にも費用面でも負担が少なく、お客様からの満足評価は高くいただくことが出来ます。
ここでロイヤルカスタマー
先ででたケースはロイヤルカスタマーではなく、『顧客数増加=売上げアップ』を考えたメニュー展開でしたが、ロイヤルカスタマーを中心に考えるとはどういうことなのでしょうか?
全ての基本をロイヤルカスタマにおいて
何を考える際もロイヤルカスタマーを中心に考えます
- 割引サービス
- メニューや料金
- 営業時間
- 定休日
- 接客
- 雑誌
- スタッフ品質
など、もっと沢山ありますがすべては総売上げの70%以上を支えてくださっている30%のお客様が利用しやすい環境を作ることで30%のさらなる増加を見込んだ方が、新しいお客様を取り込むよりも効率がよく離客率も低くなります。
最後に
こうしたロイヤルカスタマーの満足度をあげられるように日々の努力や接客を組み立て、メニューや価格、割引などはロイヤルカスタマーを中心に考える事が不可欠です。